Introduction / Story



TRAIL(2012/日本/100分/カラー/HD)


<Introduction>
「100分をこんなふうに乱暴に構成した映画はいままでになかった。(福間健二/詩人・映画監督)」「映画というものの底知れなさを感じた。(テライショウタ/Gofish)」「今の時代に逆行した驚くべき映画。(北條誠人/ユーロスペース支配人)」と観るものそれぞれの映画観を揺さぶりながら「人間の想像力への静かな愛を感じた作品でした。(寺尾紗穂/歌手)」と温かな感動を胸の内に染み渡らせ、秘かな熱狂を巻き起こしたインディペンデント映画『TRAIL』がいよいよ劇場公開されます。
監督はこれまでに発表した作品が映画誌や映画祭で注目を集め、「アンゲロプロス映画の非情でもあり天恵でもある『風景』を思い起こさせる。」と評された新鋭・波田野州平。卓越した映像表現力で自然の多様性や悠久の時間の流れを見事に描き出しています。出演は実際に活躍する画家・山口洋佑、音楽家・三富栄治、詩人・藤本徹が圧倒的な存在感で創作風景を実演しています。容赦なく過ぎ行き、すべてを飲み込む剥き出しの時間そのものが描かれる『TRAIL』を観ることは、ひとつの忘れえぬ映画体験となることでしょう。

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<Story>
たき火を囲み、とりとめのない話をする芸術家たち。画家の山口、音楽家の三富、詩人の藤本は、創作旅行の途中で山間の村に立ち寄る。そこで出会った赤い少女トキの案内で、空き家を借りて創作活動を始める。彼らは森を散策し、雲を眺め、時に動物とふれあうのどかな日々を送る。ある日、三富とトキが森に入ったまま姿を消す。雨の森、濁流の川、ふたりを探す山口と藤本の前に、変わり果てたトキの姿があった。
それから数年の後、民話を調べる為にアルゼンチンからやってきた作家は、滞在先のホテルで悪夢を見る。そして展覧会で山口が描いた絵に遭遇したその瞬間、現在までの一分一秒という時間が堰を切り、渦巻き、作家の中に流れ込む。